紋章の彩色
 紋章は日本の家紋と異なりカラフルというイメージがあるが、どんな色を使用してもいいと いうわけではない。
 使用可能な色は大きくわけて3つのグループがある。
  1. 金属色(metals)
     金(黄色で代用される)と銀(白色で代用される)がある。 黄色や白色で代用されても必ず金、銀と呼ぶ。
  2. 原色(colours)
     赤色、青色、黒色、緑色、紫色、橙色と使用頻度は低いが血色がある。
  3. 毛皮模様(furs)
     毛皮の模様を図案化したもの。白テン、リスなどの毛皮がもとだが、 現在では形式化され過ぎて毛皮かどうかよくわからなくなっている。  中世捕獲できる数が少なかったため白テンが貴重と されていたため白テン系(アーミン等)は王侯貴族のみが使用できる 高貴なものであった。
 この他に具象図形にはその形状、彩色を「自然のまま(proper)」にする という指定がある。動植物などを細かなところまで表現するのに重宝だが 紋章を描く際の解釈によって形状、彩色が変わってしまうという欠点がある。
 紋章の最も基本的なルールとして「金属色の上に金属色を置かない」 「原色の上に原色を置かない」というものがある。これは紋章の起こりが もともと戦場での個人の識別用だったため、遠くから見て識別しにくい(紛らわしい)彩色を 禁止したことによる。このルールはごく一部の例外を除いて現在でも厳格に守られている。


metalscolours
or
金色
gules
赤色
purpure
紫色
argent
銀色
azure
青色
tenny
橙色
    sable
黒色
sanguine
血色
    vert
緑色
   
furs
ermine
アーミン
vair
ヴェア
potent
ポタント
ermines
アーミンズ
counter vair
カウンターヴェア
counter potent
カウンターポタント
erminois
アーミノア
vair undy
ヴェアアンディ
   
pean
ピーン
       


モノクロでの表現〜ぺトゥラ・サンクタ法〜


タイトルへ