1994年 9月 22日(木)
パリ:のち晴れ
ロンドン:晴れ

6時に目覚める。
外は寒い。

初日は空港から市内までバスで来たが、今度は鉄道パスの効く郊外列車で空港に向かう。
乗り間違えるが人に訊きながら何とかシャルル・ドゴール空港着。

日本人の団体だらけでがっくり来るが、チェックイン。
原田のギターはテープで縛った。

空港地下で朝食。
水を買って、余ったフランはコインゲームで使う。残りはWWFの募金箱に寄付した。

ブリテッシュ・ミッドランド機は747より小さいが快適。
パリからロンドンまで飛行機で行くなんて、こんな贅沢が許されて良いのだろうか?

思えば最初は、モスクワ経由パリ単純往復アエロフロート機(14万円)に予約を入れたのだ。
ところがその後、このフライト付きで11万7千円の便が見つかった。
手間ヒマはかけてみるものだ。
出発一ヶ月前を切っていたから、そんなチケットが入手できたのはツイていたと言うほかは無い。

機内には出張らしいビジネスマンの姿もある。北海道に行くような感覚なのかも知れない。

機内食が出てから30分もすると、もうヒースロー空港に着いた。
フェリーによるドーヴァー越えのようなドラマチックさは無かったが、旅はあと3日を残すのみ。
時間は何よりも貴重だ。

例によって厳しい入国審査の後、荷物(ギターを縛り付けた原田の荷物はかなり遅れた)を受け取ってアールズコートの駅まで地下鉄で向かう。

ここは僕が高校生の時に、ロンドンに着いた際と発つ前日に泊まったところ。
安宿や食堂、商店が多くて旅の出入り口としては理想的なのだ。

目に付いたB&B(Bed&Breakfast)は朝食付きツインで28£。
部屋も綺麗で片方はダブルベッド。
昨日のホテルに比べると格段に素晴らしい。ここが最後の宿で良かった。

今日は一日別れて行動する事にした。
僕は二度目だから観光名所めぐりではなく買い物がてら散歩。
原田も一日、自由に歩いてみたいらしい。

街に飛び出してみると、ロンドンはなんと歩きやすいことか!
知っている街と言う事もあるし一人歩きと言う事もあるが、やはりロンドンは肌に合うようだ。

皆、道を譲り合うし怪しい客引きも浮浪者も少ない。
坂道も無く店は大通りに集中している。
歩いていて楽しい街のNo.1は何と言ってもヴェネツィアだが、買い物に限って言えばロンドンという街は素晴らしかった。

ハロッズデパートは巨大。
高級店の気取りがあり、ガードマンさえもお高くとまっていて日本人だらけだが、商品の質といい量といいディスプレイといい、ここま
で完璧なデパートは初めてだ。何しろ飽きないし、柱から天井までシックで凝った造り。
値段が張るのを別にすれば実に素晴らしい。

ピカデリリー・サーカスからリージェント・ストリートを北上。
オックスフォード通りで本格的に買い物を始める。

一ヶ月溜めた「買い物欲」を満たすべく、理想のコートを求めて丸一日心おきなく歩く。
僕は女性に生まれないで良かった。
こんなに魅力的な品々を見ながら歩いていたら、どんな旅になっていたか想像もつかない。

夜8時過ぎに原田が帰ってくる。
定番のロンドン見物コースに行ったらしいが、一日にしては随分歩きまわったようだ。

テイクアウェイでフィッシュ&チップスを、セブンイレブンでアルコール9%のビールを買って夕食。
ビネガーが欲しかった。

 


 上:この日も写真を撮っていないので、翌日の
オックスフォード大学の予告編。



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