1994年 9月 14日(水) ける。 重い荷物を持って駅まで走り、ほんの5分かそこらの差でセーフ。 スペインの南端アルヘシラスまでは直行便がないので10時に乗り換え。 親切なおばさんが教えてくれた。 コンパートメントにはウィノナ・ライダーによく似た女の人が居た。 アルヘシラスまで3時間近く、よく眠る。 スペインの列車は激しく揺れるので参ったが、耳栓のおかげで深海のように静かだった。 駅にはアフリカ・ツアーのオフィスが2つも構えていた。 もう、本当にアフリカの寸前。 期待と不安。 適当に見つけた宿は1000ペセタ。安い。 昼食をとりに行く。 チキンのガーリック焼きとミックス・サラダ。 サラダには見たことのない野菜が入っていた。 小さくて丸いタケノコのスライスのようで、オリーブのようなアーティチョークのような不思議な味。 美味い飯だった。やっぱり地方は良心的だ。 港に行って明朝の船の時刻をたずねるが、 「明日のことは明日訊いてくれ」と言われて驚いた。 ここスペインでは明日(manana:マニャーナ)という言葉は、めんどくさい質問を回避する時に非常に よく使われる。 港の周りにはチケット売り場やツアー事務所(と言っても屋台)だらけ。 「タンジェ」や「セウタ」(ともにモロッコの玄関港)とそこかしこに派手な看板が出ている。 憧れのモロッコへは、あと一歩だ。 思えば長い旅だった。 ホテルに戻って今日もシエスタ。 気持ちよく眠る。 今日は何だか寝てばかり。 でも、疲れもたまっているしこれからはもっとキツい。 おまけにアルヘシラスは何もない街。 民家と店と港しかない。 夕方6時頃起きて、夕食を求める。 小さい子供と犬の多い街だ。 みんな楽し気。 今度の食堂では、闘牛のテレビ中継をやっていた。 カイル・マクラクランそっくりのマタドール。 バルセロナで一度見ているので興奮もひとしお。 サラダと海老とチキン。 花瓶みたいな可愛い陶器のピッチャーに入ったサングリアを飲んだ。 赤ワインにフルーツを入れてソーダで割ったもので、こんな暑い日にはとても美味い。 好きになった。 甘さを抑えればもっと好きになりそうだ。 宿に戻ってシャワーを浴びる。 自分の部屋の隅っこのシャワーは水しか出ないので、共同のを使う。 明日はいよいよモロッコ。 この旅の一つの山場だ。 |
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アルヘシラスでは、 一枚も写真を撮らなかった。 これは旅の間 愛用していた時刻表。 |
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ヴェネツィアで買った、 「ミッソーニ」の カラフルなノート。 旅の後半の 日記帳として活躍。 |
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やっと買った モロッコ往復の乗船券。 しかし、帰りは・・・。 |