その2 軍曹ボランティア道場


  子供の頃からキャンプが好きで、現在は地元板橋区でボ
ランティア活動をやっています。
 とは言え、キッカケは立派なものではなく、中学一年生の時
にたまたま参加した区主催のキャンプで友達ができ、彼らと一
緒に活動するのが楽しくて長くやっているうちにだんだんリー
ダー的役割を担うようになってきただけの話ですが。

 世間で言うボランティアは「奉仕活動」と理解されがちですが、
僕にとってはVolunteerの言葉通り単なる「自発的活動」で、
強制されたら楽しくもなく、多分こんなに続けることも出来なか
ったと思います。その意味で、最近ニュースでよく聞く、学校
でボランティアを義務づけたり大学の単位にすることはちょっと
疑問に思います。でも、それで何かを始めるキッカケにはなる
かも知れません。

 内容は何種類かあり、高校や大学の頃は中学生を中心とし
た参加者を連れて山に行き、班付きリーダーとしてテント張り・
炊飯・ゲームなどの指導をしていました。
 キャンプ中は睡眠と3度の食事の間に、山歩きやオリエンテ
ーリングなどの自然を活かしたゲーム、キャンプファイヤーなど
のイベントを行います。
 自然相手なので、天候の変化やケガに気を配りながらの活
動です。都会育ちの中学生も自然の中では興味を持って話を
聞き、友達同士協力します。
 その中の何人かは現在リーダーとして後輩の指導にあたって
います。出会った時小中学生だった彼らとビールを飲みながら
活動について熱く語れるようになり、長くやってて本当に良かっ
たと思います。

 最近は企画段階から行うこともあり、燃えています。
より良い活動のため、今年(2002年)はキャンプインストラクター
の資格取得も目標にしています。

 もう一つは町会主催で、その地区の小学生100人くらいを、3
日間「山の家」に連れて行くというもの。
こちらはテントを張る必要もなく、食堂もあれば風呂もあるという
林間学校に近いイベントですが、対象年齢が低いため、ふざけ
てケガをするなどの予期せぬ行動や急激な体調の変化に気を
配らなければならない分、中学生キャンプより遙かに疲れます。

 テントを使ったキャンプでは明るい内に食事を済ませ、暗くなっ
たら眠るのが基本ですが、宿舎の快適な部屋で、しかも親元を
離れた友達同士初めての夜です。素直に眠れるはずもありませ
ん。そのために体調を崩す子、ホームシックにかかって夜中に
泣き出す子、友達とけんかしてしまう子などがいて、なかなか眠
らせてもらえません。

 しかし彼らは皆一緒に過ごす間に、先生でもなければお兄さん
でもない僕になついてくれて、学校のことや家のこと、友達のこと、
好きなことや嫌いなことなどを話してくれるようになります。
 夏休みの終わりには、一緒に撮った写真を送ってくれたり、狭い
町内でバッタリ会うと元気に挨拶してくれます。
 そんな時は、大変だったけど本当にやっていて良かったと実感
します。

 今、世間では子供達がとても荒んでいるように思われがちです
が、彼らの考え方や好き嫌い自体は、十何年前に僕が同じ年だ
った頃、あるいはそれ以前とそれほど変わっているようには思え
ません。
 ただ彼らは、大人達が思っている以上に自分の意見を持ち、そ
れを聞いてもらえる場を求めているのを感じます。

 次の夏に、一つ大人になった彼らがどんな話を聞かせてくれる
か今からとても楽しみです。  

オリエンテーリング中の一枚。 別の夏の一枚。彼らも今は20歳くらい。
全員集合すると、このくらいの人数。 初めて鋸を使う体験林業。
10年前の夏。キャンプファイヤーの準備。 無事キャンプファイヤーが済んで成人の儀式。
「きもだめし」のオバケ役もやります。 スタッフ。この年のチームカラーは「赤」。
木の上からキャンプファイヤーめがけ、
「火の玉」を滑らせる準備。
キャンプ仲間のT君と。


Next



TOP