2005年6月。 また、海亀産卵の季節がやって来た。 あの感動の卵発掘から1年。 ワクワクする気持ちを胸に、 また浜松に行ってきました! |
いつもは朝の4時に歩き始めるが、 今回は産卵する母ガメに出会える事を期待して 朝の3時半に行動開始。眠いっス…。 前日、職場の球技大会で燃えまくった後 新幹線に飛び乗って懐かしい仲間と会って 嬉しくてがんがんビール飲んだんもんで。 それでも元気に歩き始めて、さっそく 何か生き物の足跡と潜った砂の跡を発見! これは浜ガニで、もちろん海亀ではありません。 |
今回は天気良くて、台風の去年みたいな 雨も風もなかったんですが、 とてもマジメに足元を見ていたんで またしても写真は撮らずに 時間は思いっ切り飛びます…。 結局今年も、僕のチームは1時間くらい歩いて カニの足跡しか見つけられませんでした。 意気消沈して集合場所に戻ると、 発見のニュースが2つも入って来た! すぐさま現場に急行。 海から枯れ草のところまでまっすぐ伸びるのが 母ガメの足跡。その奥は産卵を終えて帰る足跡。 |
画面右から左へ進む足跡。 アカウミガメはクロールで泳ぐように足を交互に使う。 ところが、アオウミガメはバタフライのように、 左右同時に足を運ぶそうだ。 |
ところが、産卵場に行くと無残なタイヤの後が! 産みながら少しずつ奥に進むので、 ちょうどあの下あたりが卵だ。 貴重な卵が、潰れていない事を祈る。 |
海ガメ保護調査員のHさんが、 卵の場所の見当をつけて、掘り始める。 幸いにもタイヤ跡は、まさに紙一重で外れていた。 |
無事に、一つ目を発見。 良かった!潰れていない。 |
良く見ると、尻尾のようなものが付いている。 海ガメでは珍しい事ではないらしいが、不思議だ。 最初に掘り起こした10個くらいで、あとは真ん丸。 海ガメは一度に100個ほどの卵を産むが、 それを3〜4回行う。これは、本来なら次回産むべき まだ未完成の卵が生まれたのかも知れないとの事。 だから最後に産み、最初に掘り起こされたのだ。 |
みんなで交代で少しづつ掘る。 彼女は大学生で、なんと九州から飛行機で来た。 がんばって貯めたバイト代はぶっ飛んだそうだが、 卵に遭遇できて本当に良かったね。 |
ウミガメの卵は普通ピンポン玉くらいだが、 極端に小さいものも4つ見つかった。 残念ながら、これらは孵らないとのこと。 |
ここでは、102個の卵が見つかった。 (そのうち尻尾つき10個・小さいもの4個) |
僕も1年ぶりに掘らせてもらう。 ペコッと言うかグニョッと言うか、何とも不思議な感触。 でも、確実にこの中に生命が息吹いている。 |
次の現場へ。 ここの足跡にはドラマがあった。 浜の奥を目指したもののすぐ崖にぶつかり、 ウロウロした挙句にそこで産む決心をしたようだ。 右奥から浜に上がり、グルッと回って、 中央の砂の色が違うところが産卵場所。 真ん中の足跡が帰り。 |
海のほうから見るとこんな感じ。 本当はもっと奥まで行きたかっただろうが、 この崖を登れなかったのだ。 |
ここでは、111個の卵が見つかった。 |
保護センターで、大切に埋め直す。 彼はこのたび大変お世話になった、福ちゃん。 黄色い腕章は海ガメ保護団体調査員の証で、 それ以外の僕たちは、この作業だけは 手を出せないルール。 でも個数と発見者を書く立て札には 僕らの名前を書いてくれた。福ちゃん、ありがとう! |
この卵たちは8〜9月までゆっくり育てられ、 夏の終わりの放流を待つ。 今回一緒に探して掘り起こした仲間たちとも、 その時にまた会えるはずだ。 楽しみだ。本当にありがとう。 |