その9 ウミガメを守ろう!!【その5】



2005年6月。
また、海亀産卵の季節がやって来た。

あの感動の卵発掘から1年。

ワクワクする気持ちを胸に、
また浜松に行ってきました!



いつもは朝の4時に歩き始めるが、
今回は産卵する母ガメに出会える事を期待して
朝の3時半に行動開始。眠いっス…。

前日、職場の球技大会で燃えまくった後
新幹線に飛び乗って懐かしい仲間と会って
嬉しくてがんがんビール飲んだんもんで。

それでも元気に歩き始めて、さっそく
何か生き物の足跡と潜った砂の跡を発見!

これは浜ガニで、もちろん海亀ではありません。


今回は天気良くて、台風の去年みたいな
雨も風もなかったんですが、
とてもマジメに足元を見ていたんで
またしても写真は撮らずに
時間は思いっ切り飛びます…。

結局今年も、僕のチームは1時間くらい歩いて
カニの足跡しか見つけられませんでした。

意気消沈して集合場所に戻ると、
発見のニュースが2つも入って来た!

すぐさま現場に急行。

海から枯れ草のところまでまっすぐ伸びるのが
母ガメの足跡。その奥は産卵を終えて帰る足跡。


画面右から左へ進む足跡。
アカウミガメはクロールで泳ぐように足を交互に使う。
ところが、アオウミガメはバタフライのように、
左右同時に足を運ぶそうだ。


ところが、産卵場に行くと無残なタイヤの後が!

産みながら少しずつ奥に進むので、
ちょうどあの下あたりが卵だ。

貴重な卵が、潰れていない事を祈る。


海ガメ保護調査員のHさんが、
卵の場所の見当をつけて、掘り始める。

幸いにもタイヤ跡は、まさに紙一重で外れていた。


無事に、一つ目を発見。
良かった!潰れていない。


良く見ると、尻尾のようなものが付いている。
海ガメでは珍しい事ではないらしいが、不思議だ。

最初に掘り起こした10個くらいで、あとは真ん丸。

海ガメは一度に100個ほどの卵を産むが、
それを3〜4回行う。これは、本来なら次回産むべき
まだ未完成の卵が生まれたのかも知れないとの事。

だから最後に産み、最初に掘り起こされたのだ。


みんなで交代で少しづつ掘る。
彼女は大学生で、なんと九州から飛行機で来た。
がんばって貯めたバイト代はぶっ飛んだそうだが、
卵に遭遇できて本当に良かったね。


ウミガメの卵は普通ピンポン玉くらいだが、
極端に小さいものも4つ見つかった。
残念ながら、これらは孵らないとのこと。


ここでは、102個の卵が見つかった。
(そのうち尻尾つき10個・小さいもの4個)


僕も1年ぶりに掘らせてもらう。
ペコッと言うかグニョッと言うか、何とも不思議な感触。
でも、確実にこの中に生命が息吹いている。


次の現場へ。

ここの足跡にはドラマがあった。
浜の奥を目指したもののすぐ崖にぶつかり、
ウロウロした挙句にそこで産む決心をしたようだ。

右奥から浜に上がり、グルッと回って、
中央の砂の色が違うところが産卵場所。

真ん中の足跡が帰り。


海のほうから見るとこんな感じ。

本当はもっと奥まで行きたかっただろうが、
この崖を登れなかったのだ。


ここでは、111個の卵が見つかった。


保護センターで、大切に埋め直す。

彼はこのたび大変お世話になった、福ちゃん。
黄色い腕章は海ガメ保護団体調査員の証で、
それ以外の僕たちは、この作業だけは
手を出せないルール。

でも個数と発見者を書く立て札には
僕らの名前を書いてくれた。福ちゃん、ありがとう!


この卵たちは8〜9月までゆっくり育てられ、
夏の終わりの放流を待つ。

今回一緒に探して掘り起こした仲間たちとも、
その時にまた会えるはずだ。

楽しみだ。本当にありがとう。


Next



TOP