1994年 9月 5日(月) ウィーン:晴れ
 

 
朝8時頃起床。
窓の金具とドアに掛けて張ったロープにつるした洗濯物はイマイチ乾かなかった。

仕方なく袋に詰めて部屋を引き払い、階下で朝食。
重くなった荷物を西駅に預けて、まずは近くのカフェで手紙を書く。

11時にオペラ座見学ツアーへ。4ヶ国語で行われるので、僕は英語のツアーに参加。結構日本人が多い。筒井康隆に良く似たおじさんが、最初から最後までビデオに撮っていた。

中央階段はまるで美術館のようだ。
劇場はさほど広くはないが、天井は高い。椅子は木製。オーケストラピットには、今はまだ何も置かれていない。雛壇になるらしい溝はある。

舞台の幅は普通だが、奥行きが広い。体育館ほどもある。そこではオーバーオール姿の男達がトンカンと大道具を作っている。舞台は白木のまま。

舞台裏を見学。トイレや電話ボックス、食堂まである。少し離れた部屋には、いくつかのシャンデリアが掛かっている。オペラには、こんなにたくさんの人が関わっているのか。オペラは冬にシーズンを迎える。いつか観てみたい。

自然史博物館へ。美術館(閉館日)と向かい合って全く同じに作られた美しい建物。中はプラハ以上のコレクションで、特に鳥類が多い。マンボウまで居た。

巨大なピザの昼食をとり、市庁舎の前を通ると、何とサーカスが来ていた。残念ながら今日はやっていないらしい。

プラター遊園地へ。

昨日は街の大聖堂から大観覧車を望んだが、今日は逆。僕の部屋ほどもあるゴンドラはゆっくりと高みへ行く。中にはテーブル付きのもあり、中でパーティーもできるらしい。ウィーンの町の真ん中に、大聖堂がそびえ立っている。10人ほどの客が片方に集まると、ゴンドラが傾いて怖い。

遊園地は意外に広い。派手な原色の看板が並び、安っぽくもどこか懐かしいその雰囲気は、まるで昔のとしまえんの様だ。
ふとメリーゴーランドに目をやると、木馬が「ブルルッ」と息をしたように見えた。

まさかと思ってよく見ると、木馬と思っていたのは全部本物の馬で、子供達が乗ると音楽に合わせて歩くのだ。これは驚いた。

夜10:22発ヴェネツィア行きの夜光列車を待つ。ウィーンはベルリン同様、都会でちょっと落ち着かなかった。

僕は歴史と自然があって食べ物の美味しい、地方が好きなようだ。

寝台は最上段になる。今回はミネラルウォーターを配ってくれたが毛布はナシ。

ところが、その暑さを知って要らない訳が分かった。今はまだ9月の始めで、僕は南下しているのだ。


市庁舎前のサーカス。

遊園地やサーカスなどの祝祭的なものが好きです。
少しチャチだったり古臭くても、
地元の人々が楽しみにしているのが
見ていて嬉しいのです。


「本物」のメリーゴーランド。
これには驚きました。


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