1994年 9月 4日(日)
プラハ:早朝でよくわからない
ウィーン:晴れ
早朝の列車に乗るため、5時半に起きる。
同室のみんなは、まだ眠っている。暗い中、音を立てないように支度。
早朝の駅で残ったコルナをUS$に換える。レートは最悪。でもこの通貨は
第三国では殆ど役に立たない。僕の大好きなマンガ「MASTERキートン」でも、チェコ人の殺し屋が「今回の報酬は役立たずのコルナじゃなくて、ドイツマルクでもらえる」と喜んでいた。
6:23発の列車に飛び乗る。
僕の予約したコンパートメントはチェコ国鉄ではなくオーストリア国鉄のものらしい。
チェコのは横に2人掛けの巨大な椅子だったが、こっちは4人掛け。
でも誰もおらず、横になって2時間眠る。
ウィーン北駅着。走ってきたトラムに適当に見当をつけて乗り、市街へ。
オペラ座前で降りる。
今日は日曜日。街は人でごった返している。
ホテル探しでは、またしても大変な苦労。
西に見当をつけて大きい荷物を背負ったまま黙々とひたすら歩く。一時間ほど歩いても全く見つからず、結局国鉄西駅で紹介してもらい、駅裏手のホテルに落ち着く。ヘトヘトだ。シャワー・トイレ付きで一人3000円。
僕にしてみれば痛い出費だが、きれいな部屋で朝食も着くし、日本の物価からすれば安い、と考える事にする。
今夜も何かしらコンサートを聴きに行くつもりで街に出る。
中心は聖シュテファン大聖堂。市民の為の教会とあってプラハ城の大聖堂に、荘厳さの代わりに華やかさを加えた感じ。
高い所好きの僕は搭に登ってみる。
世界で3番目の高さを誇るだけあって、相当キツい。息を切らせて頂上へ。
風は涼しく、市街を一望。ドナウ河が流れ、遠くにはプラター遊園地の大観覧車が見える。
街でイワシのサーディンホットドッグを食べて夕方を待つ。今夜はKarls教会のコンサート。ウィーンは人種や文化の交点らしく、意外にもアジア人、黒人、スカーフで顔を隠したイスラム女性など様々な人々が行き交う。
教会ではコンサート寸前までお祈りをしていた。
やがて日が暮れて灯りが点り、彫刻がロウソクに映し出される。
フルートとオルガンのコンサートだ。非常に美しい音色だが、宗教音楽の感が強い。硬い木の椅子に悩まされながら、日曜学校に通わされるトム・ソーヤの気分だった。
西駅スーパーでチーズ・サラミ・ワイン・牛乳を買い、たまった洗濯物を片付ける。ジーンズも洗い、部屋中に干す。洒落た内装は台無しだが、背に腹は代えられない。
ウィーンは観光都市なので、人も街もお高くとまっているようで落ち着かない。
明日の夜光列車で、僕の世界一好きな街、ヴェネツイアに行くのが楽しみだ。
洗濯でヘトヘトになった所で、ワインを飲んで眠る。
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