イギリス編 〜


1999年9月15日(水)
ストラッドフォード・アポン・エイボン:曇り

朝起きて、昨日買ったグレープフルーツとオレンジを食べた。

今日はシェイクスピアの生まれ故郷、ストラッドフォード・アポン・エイボンへ行きたい。

特に訊かれなかったので注文しなかったが、どうやら朝食は予約制らしい。
食べられないのは困るので、頼んでコーンフレークとトーストだけもらった。

僕以外の3人は美味そうなイングリッシュ・ブレックファースト(卵・豆・ソーセージ・ベーコン)を食べていた。

上智大生はまだ起きていないのでLinnさんにだけさよならと言ってYHを出る。
街に下りてバス停でおばあさんと話をしていると、少し遅れてバスが来た。バンゴールへ向かうバスは陽光に気持ち良く照らされ、僕は例によってうたた寝しそうになった。
駅について、行き先を告げると「あと1分で発車だよ!」と言われ、慌てて列車に飛び乗る。

コーヒーを飲みながら「私は別人」の後半を読む。

乗り換え駅のCreweでは湖水地方で3度もバッタリ会ったMTBの学生にまた会い、バーミンガムまで同行した。彼は北欧からエディンバラに入ったので、これから初めてロンドンに行くのだと言う。

途中経由したバーミンガムは大都市だった。工業的な近代化のためかゴミゴミしていていろいろな人種がひしめき合っている。

ストラッドフォード行きの出るムーアストリート駅はそこから10分ほど歩いた所にある。ちょっと歩いただけで僕はこの街にウンザリしてしまった。心和む点が全くない。

それでも、列車が動き出すと田園風景が広がった。

ストラッドフォード・アポン・エイボン駅に着いた。
駅前はうらぶれていたが街の中心へ行くと綺麗な花々に飾られた古い街並が見え、賑やかで楽し気だった。

腹が減ったので、中東人経営の店でチキン・ケバブとポテトを買い。ベンチで食べた。
日本人観光客にジロジロ見られたが、人には人の旅のスタイルがあるのだ。
このケバブは美味い。

シェイクスピアの生家へ。
床板が人の足ですり減り、波のようにデコボコしているのに驚いた。
でも特に何と言うことはない。せっかく来たから寄っただけ。

インフォメーションで明日のロンドン行きバスを予約した。
たった10£しかかからなかった。これなら次回はバスで旅した方が安く上がりそうだ。

しかしどうもこの街はツーリスティックに過ぎる。
僕は他のシェイクスピアゆかりの地を全てキャンセルしてYHへ向かう。バースで飲んで以来お気に入りの「1664ビール」を2缶買うのは忘れなかった。

緑に囲まれた、綺麗なYHで良かった。
スランベリスに2泊するつもりだったのだが幸い初日にスノードン山に登れたので2泊目をキャンセルしたのだが、現金払い戻しはできないと言うのでここのYHに振り替えたのだ。
しかし今までで一番不便な所にある。1時間に1本しかないバスで行かなければ駅から徒歩50分もかかるのだ。

いよいよ明日はロンドン。旅は終わりに近づいている。

実にいろいろなことがあった。
夜はダイニングルームで、しばらく会っていない友達に手紙を書く。心が和む。

この街ではたくさんの日本人ツアー客を見た。「ぐるり英国11日間の旅」と書かれた大型バスもあった。
僕は昔ほど団体客に嫌悪感を持たなくなった。
確かに仲間と想い出を共有しながら安全に旅をするには見所も多く良い街だ。

でも今回僕が歩いたような旅は、団体旅行では無理だ。気分次第、風向き次第で歩きまわるのはやはり一人旅じゃないと難しい。
そんな旅が許されて、本当に有り難い。一生の宝物になるだろう。

深い眠りに落ちる。


この日は写真を撮りませんでした。
これは湖水地方の牛の昼寝です。



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