1994年 9月 2日(金) ベルリン:曇 プラハ:曇のち雨 7時に起床。慣れたせいか南下したせいか、思いのほか寒くはない。 |
中央大通り。奥は国立博物館。 その裏が中央駅だ。 |
午後3時プラハ着。 地下鉄で中央駅を目指すが、券売機が全部壊れている。林檎ジュースを買ってジャストのお金を入れても動かない。 仕方なく無賃乗車した。 中央駅は何層にも重なった大きい駅だ。 とりあえずカフェでコーヒーを求め、一服。プラハはホテル難で有名なので荷物をコインロッカーに預け、腰を据えて安宿を探すことにする。コインが足りず、強引に二人の荷物を入れる。 料金は10コルナ(40円)。さっきのコーヒーも10コルナ。安くて助かるなあ。 国立博物館から延びる大通りで宿探し。超高級ホテルばかり。ためしに一軒値段を聞いてみると、ツインで3000コルナ(12000円)だそうだ。冗談じゃない。対象によって物価がバラバラだ。 大通りから広場へ。大聖堂や時計搭など、美しい建物が並ぶ。ここプラハはかつて「百搭の街」と呼ばれたところ。大学の図書館で偶然その言葉を知り、訪れたくなったのだ。 ホテルが見つからないまま雨が降り始め、惨めな気持ちで大河にぶつかる。かのモルダウ河だ。 泣く泣く地下鉄に乗って中央駅に戻る。今夜は久々に駅で野宿でもするか。 ところが、ダメ元で立ち寄った駅のインフォメーションでユースホステルを教えてもらう。一泊800円。 安い!なんとYHは駅舎の隣にあった。 部屋は6人用のドミトリーで、屋根裏部屋。なかなか快適そうだ。明かり取りの天窓には、夕方になって強まり始めた雨が音を立てている。部屋ではカナダ始め各国のゴツイ旅人達が話していて、僕達を歓迎してくれた。 |
丘の上から街を見下ろす。中央に時計搭が見える。 |
洗濯をして駅に戻り、あさって早朝のウィーン行き列車を予約した。 まるで体育館のように広い駅の食堂でビーフカツレツとビールの食事。 カツレツは冷えていてあまり美味くなかったが、全部で90コルナ(360円)だ。贅沢は言うまい。付け合せのポテトは美味しかった。 食堂はあまりに巨大。窓の外は駅正面で、外の様子が見える。反対の窓はいきなりホームで、列車が行き来している。天井にはかつての栄華を思わせるフレスコ画や彫刻。 ここはホテル以外なんでも安い。ホットドッグ40円、ハンバーガー60円くらい。街の雰囲気も近代化されておらず中世の面影があり、宿さえYHなら極めていい街だ。 駅の放送はチャイムの代わりに「モルダウ」の荘厳な響き。どこかのカフェではクイーンのボヘミアン・ラプソディーを聴いた。 だいぶ南に来たので、プラハは少し暖かく感じた。でも、冬はきっと寒いのだろう。 |