1994年 9月 20日(火)
パリ:

9時頃目覚める。

列車はなぜか何度も止まり、2時間半遅れてオーステルリッツ駅に着いた。
外は寒くて、冷たい霧雨が降っていた。

腹は減っているが、何はともあれリコンファーム。
期限である出発72時間前は切っていたが、何とか成功。

パリでは、トロンボーンを学ぶ友人、松本君と会う。
彼の師の連絡先を預かっていたので電話をかけると、松本君がもうパリに来ていることを教えてくれた。
何だか嬉しかった。この遠い地で誰かに会えるなんて。

北駅へ向かうメトロの中では、青年がギターを弾いて歌っていた。
たった1ヶ月で、パリはすっかり秋めいていた。
皆、セーターやジャケットを着込んでとても洒落ている。
夏はバカンス客ばかりだったけれど。

飛込みでとった宿はなんだか変な匂いがしたが、とりあえずピザで腹ごしらえ。
美味い。スペインのやくざな食生活から離れられて嬉しい。
朝から晩まで好きな時に好きな物が食べられるのがこんなに素晴らしい事だとは思わなかった。

プランタンデパートに行くが、日本人ばかり。
混雑は激しくて物は結構高い。
でも、何はともあれここはパリだ。それだけでも素晴らしい。

この旅最初の夜に裏側に降り立ったガルニエ・オペラ座を、初めて正面から観る。

芸術の殿堂と称するにふさわしく、堂々としていて威厳に満ちている。
明日は、ここで松本君と待ち合わせ。

夕食は粟を蒸したアフリカ料理、クスクスの羊添え。
一粒一粒がモソモソした不思議な食感。
チリペーストが滅法辛くて喘ぎ、店員に大笑いされた。
ボリュームもありすぎたが、美味かった。

宿の階段踊り場にあるシャワーはコイン式の有料で、先端ノズルがなくてドボドボと水が落ちるだけ。
しかも20フランも取るなんてひどい話だ。
貧しい僕達はこっそり交代で使った。

夕立があった。
夏はもう過ぎ去ってしまっていた。

 

 
この日は写真をとらなかったので、翌日の
シャンゼリゼ通りの予告編。



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