1994年 9月 18日(日)
コルドバ:晴れ
マドリード:晴れ


11時まで眠った。背骨が痛い。
何はともあれ20代最初の朝だ。

夜中に喉が渇いて目覚め、ボトルの水が切れていたので、外に出ようとしたら鉄格子がはまっていて出られなかった。
でも、良く考えてみたら出られたとしてもコンビニがあるわけではない。

中庭には珍しく自動販売機があったので、トニックウォーターを飲んだ。
ふと上を見上げたら、星空がとても綺麗だった。
流れ星も見えた。

午後2時43分発のマドリード行きを待つ。

僕の叔父さんは若い頃、「マドリード」という名の異国的な響きに憧れたそうだ。
その後いろいろな地を踏み、今は旅行業を営んでいる。

今日は日曜日だからコルドバに居ようがマドリードに居ようが、するべきことは何もない。
日本のシステムが懐かしい。

土日に休みなのは官庁くらいでいいと思う。
駅までの道はきれいサッパリ何も開いていない。
閉店中のハンバーガー屋なんて、そう何度も見たことはない。

スペインの新幹線AVEは、とても快適。
同じスペイン国鉄の列車とは信じられない。
速いし静かだし、言うこと無し。

マドリードのアトーチャ駅は、なぜか熱帯植物園のようだった。
駅の案内所で宿を探してもらった。

日曜日ということもあって、街は死んだように静か。
風景はパリとさして変わらない。ここはもう大都会だ。

スペインとも明日でお別れ。
バルセロナに来たのがちょうど一週間前だから、今回の旅で一番長くいた国ということになる。

一番楽しかったような、一番苦しかったような奇妙な印象が残る。

何はともあれ、このスペイン時間と無責任さだけはたまらない。
ずいぶん泣かされたものだ。

腹が減っても開いているレストランは見つからず、食えるうちにと食いすぎればお腹を壊す。
チケットの払い戻しは出来ないしおつりは誤魔化す。
ろくな物じゃないが、腹の底からは嫌いになれないでいる。不思議なものだ。

夕食をとりに行くが胃が参っていて殆ど食えず。
宿に戻ってとにかく眠る。

誕生日だというのに、何だか滅茶苦茶に疲れている。

旅は、終わりに近づいている。



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