イギリス編 〜



1999年9月4日(土)のつづき
ロンドン:晴れ

機内で目を覚ますと、映画『Life is beautiful』をやっていた。
銀座で見たイタリア映画で、とても良かったのだが、僕はもうひと眠りした。
機内食では美味いビビンバが出た。大韓航空ではチューブ入りのコチュジャンを付けてくれるので、辛党の僕にはありがたい。しかもこれから旅するイギリスは、正直に言ってひと味足りない料理が多いのでこのチューブは活躍しそうだ。

捨てるつもりで一冊100円で買った『ゲームの達人』にハマる。
読み終えないうちにロンドンに着いてしまった。

ヒースロー空港から地下鉄で市内へ。
16歳の時と同じ風景を眺めながらロンドンに向かう。あの時のようなドキドキは、もう無い。帰っては来ない。それは少し寂しかったが、僕は慣れと同時に少しばかりの強さを見に付けたのだろう。

ハイストリート・ケンジントン駅からYHへ。賑やかな街だ。
黒塗りのタクシーに赤いダブルデッカーと、ロンドンのシンボルが走る。
夕方6時を過ぎているが、夏時間のおかげでまだまだ明るい。公園では人々がボール遊びをしたり日光浴をしたり、思い思いに過ごしている。
YHは大きな公園の真ん中にあった。塀に囲まれた立派な建物。もともとは貴族の邸宅であったらしい。寝室は3段ベッドを並べた20人部屋であった。

フロントの壁にはいろんな情報が貼ってあり、本国から宿泊者へのFAXなどもある。
芝生の中庭にはテーブルやベンチも並び、同じロンドンでも無機質だったアールズコートYHより居心地が良い。

近くのスーパー『Safeway』に行ってパンとオイルサーディンとスープを買い、自炊した。
ここにはキッチンがあり、調味料などは前の宿泊客が使い残したものを使えるので料理好きの僕には理想的だ。

シャワーを浴びると、殺人的な眠気が僕を襲った。
最後の気力で着替えを行い、僕は倒れるように深く深く眠った。

ここ2週間、引越しのゴタゴタから居場所が定まるまでぐっすりと安心して眠れる機会が無かった。いつ安眠できるだろうと思っていたが、それはまさに今、このベッドに上でであった。
脳味噌がしびれる程良く眠った。


ロンドンのHolland House Youth Hostel。
大きい公園の中にある、
とても居心地の良いYH。

ここは、その中庭です。

写真を撮ってくれた人のところには、
木のテーブルやベンチが並んでいます。

日付は6日になっていますが、
この写真はロンドンを
出る日に撮ったものです。



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