イギリス編 〜


1999年9月13日(月)
リーズ:晴れ コンウィ:晴れ


目が覚める。
汗だくだが、体調は多少良くなっているようだ。

トイレに行ったら、隣室の学生がシャワーを浴びた跡があった。
天気はだんだん良くなっている。
今日の午後にはリーズを出るつもりなので、大学を見学してみたい。
昨日買ったパンで朝食を済ませ、荷物を適当にまとめて部屋に残し、歩き出した。
まず事務局棟、それから国際センター、英語学棟を見てまわる。
大学内には学食の他にバーやクラブまであり、別に街まで下りて行かなくても事足りるようにできている。コンピュータも充実していて、各施設には専門のスタッフが常駐している。ここは留学生の多さでも知られており、どこから来ても安心して学べる環境作りに力を入れているようだ。
学生数は2万7千人。単独のキャンパスとしてはイギリスで最大の面積を誇る。
風邪のせいもあってへとへとに疲れたが、何を訊いても答えてくれる職員や守衛さんなど、親切な人が多くて助かった。本当にありがとうございました!

僕は部屋に寄って荷物をかつぎ、寮の受付に鍵を返して礼を言い、バスに飛び乗った。

このままウェールズまで行ってしまおう。
僕は南へ向かう列車の中で少し眠る。

目を覚まし、いくつかの列車を乗り継ぐ。

これから向かうウェールズは、独自の歴史と文化を誇る地だ。
こうして旅をしていると、イギリスは単一文化の国家ではないことが良く分かる。
今回はコーンウォールや湖水地方などなかなか行けない場所を見ることができた。
いつかはアイルランドにも行ってみたい。島々を巡り、それぞれ特色のあるウィスキーを味わう旅なんてのも良い。

右手にアイルランド海が広がってきた。ウェールズにやってきたのだ。
看板には英語とウェールズ語の表記がある。
緑の崖に、古い城が建っている。マリンブルーの海は、沖で緑色に変わる。

スランドゥドノ駅に着いた。
今日の目的地であるコンウィ行きの列車は40分も待たないと無いらしい。
とは言えたった1kmの距離なので歩く。すぐ、河の向こうにコンウィ城が見えた。

街がぐるりと城壁に囲まれているのが分かる。
電話でYHの場所を聞き、丘を登る。かなりきつい坂だが、YHはすぐに見つかった。
汗だくだ。しかし綺麗な部屋に気分が良くなる。汗が引くのを待って、コンウィの街に下りてみることにする。

小さな街で、30分もあればショーウィンドウを眺めながらでも一周できてしまう。
コンウィ城の壁の上を歩き、塔に登って街を見下ろす。城壁に囲まれた美しい街だ。

眼下には海が広がっており、たくさんのヨットが停泊している。
港に出てフィッシュ&チップスを買い、ベンチで食べる。港とは言え、静かで小さな入り江だ。
グレープフルーツと水、レモンジュースを買ってYHに戻る。とりあえずシャワーが浴びたい。
幸いお湯は熱く、ようやくさっぱりした。
今日の服を手洗いし、コイン乾燥機にかける。

上智大の学生と話す。夏休みはあと1ヶ月もあるそうだ。
僕は大学時代図書館で働いており、授業はなくても仕事はあった。そこでは時間の貴重さも含めて多くを学んだのだが、やはり普通の大学生に許された長い休みというのは良いものだ。旅をするのも、みっちり何かを学ぶのも、のんびりと過ごすのも良い。

風邪をこじらせないよう、窓がキッチリ閉まっていることを確認して眠る。



コンウィ城。

回廊のような城壁の上に、
いくつもの塔が建っています。

壁は城だけでなく、
街を守るように取り囲んでいます。


コンウィ城から港を見下ろしたところ。

大型船は入ってこないので静かな港です。


遠くには山々の姿。

ウェールズは峻険な自然を持っている。



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