1994年 9月 1日(木) ブレーメン:雨 ベルリン:曇り 6時半に起床。 |
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カイザー・ヴィルヘルム教会。 手前は礼拝の為に新しく建てられた新教会。 |
インフォメーションで安いホテルを紹介してもらい、荷物を置く。 ハンバーガーで昼食を済ませ、かつて東西ベルリンを隔てていた壁の跡を目指す。 バスに乗り、ベルリンの街の中央に位置する戦勝記念塔を横切る。 広い前庭を持つ大統領官邸(ベルヴュー城)から川沿いに進み、巨大でいかめしい旧帝国議会の前でバスを下車。 すぐ真裏が、かつてベルリンの壁があった所。 現在はただの道路だ。 まるで、何事もなかったかのように人々が行き来している。 東西ドイツ統一の象徴、ブランデンブルグ門がなければ本当にここにあの壁があったなんて信じられない。 映画や本でこの壁を越える苦労を見てきた僕には、どちらが現実なのかわからない。 旧東ドイツ産の紙で出来た車、トラバントがけたたましい音を立てて走る。 荘厳なフンボルト大学、パイプオルガンの調べの美しい大聖堂などを巡るが、どうもこの街にはなじまない。都会、曇り空、戦争の跡。 同じドイツでもブレーメンはあんなに楽しかったのに。 フリードリッヒ駅でプラハ行きの乗車券を予約した。 スーパーでビールを買い、チャイニーズフードの屋台でチキンバーガーを買い、スズメと鳩にパンくずをまきながら駅前の寒々しい小さな噴水広場で食す。 |
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フンボルト大学。 |
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帰りのバスで僕の前の席に座っていた家族には、小さな女の子が居た。 背もたれごしに僕をちらちらと盗み見ては、目が合うと笑って、次に変な顔を作って見せてくれる。 そのたびに、沈み気味だった僕はだんだん楽しい気分になってきた。 外国人が珍しいのか、彼女流のコミュニケーションなのだろう。どこか寂しげだったベルリンの街で、ささやかな救いを得た。 僕達の部屋にはシャワーが無いので、他の空き部屋に浴びに行く。 Zoo駅のスーパーでワインとチーズ、シェーバー、牛乳、水を買った。 明日は中欧、チェコのプラハに向かう。 良いところだといいな。 |
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ブランデンブルグ門。 「平和」を表現したかったらしい。 |