2003年初夏。 アウトドア団体のイベントで新しく知り合った山登り娘の友人から、 「スノボに行こう!」と誘われた。 「もう5月も終わりだよ!どこでやるの?」と尋ねると、 彼女は 「山形県の月山ではまだ出来るよ。 って言うか雪深すぎて4月からしかゲレンデがオープンしてないんだよ。」 と事も無げに言った。 |
仕事を終え、金曜日の22時に東京を出た僕たちは 東北自動車道を北上。 お互いにいろいろ友人に声を掛けたものの、最終的には 2名で行く事になった。 会うのは今日が2回目だし、年齢も性別も違うとは言え アウトドア好き同士なので山の事などを喋りながらの ドライブはあっと言う間。 明け方の4時頃、月山スキー場に到着。 チェーンを巻く必要は全然無かった。 東の空が青みを帯びていく。 夜景モード三脚なしで撮ったので、手ぶれしててスミマセン。 |
今回の探検隊の隊長、まりさん。 朝6時過ぎまで2時間程の仮眠をとる前の一枚。 手前のクーラーバッグには、冷えたビール。 僕は6時間の禁を破り、ゴクゴク飲んでグッスリ。 寒さを警戒していたがさすがに5月だからか全く問題なく、 寝袋持参なのでものすごい快適な睡眠だった。 |
まりさんにスノボを固定できるバックカントリー用のザックを借り、 歩き出す。 天気はご覧の通りピーカン。 ウェアをザックに入れ、Tシャツ一枚になるがリフト乗り場までで 既に汗だく。 |
山頂までは行けないが、中腹まで登れるリフト。 一ヶ月前にまりさんが来た時はリフト下も全て雪で、 待ち切れず営業前の朝4時に自力で登り始めたと言う。 う〜ん、レベルが違う。 |
リフト下にはふきのとうが咲いていた。 「雪からこっそり顔を出す」という奥ゆかしさは全く無く、 どちらかといえば乱れ咲き。 |
リフトを降りる。後ろは姥ヶ岳。 月山は谷を越えて東で、ここからはまだ見えない。 この看板を見て 「あれが月山か。楽勝で登れるな!」 と勘違いする人は多いと思う。 |
ここからは自分の足で歩き始める。 姥ヶ岳と月山の間の谷をトラバース中。 スノボシューズでアイゼンも何も無いので、 一歩一歩踏みしめながら。 夏山ならなんてことない傾斜なので、最初はハイペースで 歩いていたが、足が谷側に滑って「おっとっと!」なんて やっていると、無駄に体力を使ってかなりキツイ。 僕より山歩き慣れしたまりさんは、ゆっくり確実な足運びで 一定のペースを保っており、それに倣うとかなり楽になった。 |
南の斜面はすっかり雪が解け、まるで夏山のようだ。 残り雪も日中の暖かさでザラメ状になっている。 途中一回の休憩を入れる。朝買った500mlの「凹」は 一回で飲み干してしまった。 だが無計画と笑う事なかれ。 ザックの中にはコッフェルとガスバーナー。周りは雪の世界。 水の補給はどこでも出来るのだ。 |
急斜面では、階段を造るつもりで少し蹴り込むように 歩くと良いみたいだ。 先人の足跡を辿れば、さらに楽になる。 ショートスキーの裏に毛皮のようなものを貼り付けて登る 人がいた。かなり登りやすそうだった。 |
重いスキーを背負ってスキー靴で登るのが何と言っても一番 辛そうに見えた。 登山靴+スパッツでリュックにカンジキをくくりつけている 団体もあったが、「カンジキは要らなかったなあ」と言っていた。 1時間半ほど登ったら山頂付近で雪がなくなり、岩が露出して きたのでここでボードを降ろし、スノボシューズで登山に入る。 スノボの格好で山登り。 なんだか不思議な感じだ。 |
リフト降り場から歩く事2時間。 頂上の月山神社が見えてきた。 北斜面はまだ真っ白な雪が覆っているのが分かる。 |
月山神社にて。 1ヶ月前は、神社そのものが雪に埋もれて見えなかったという。 まりさんは 「あ!この屋根があの時の…。」とか 「こんな所に鳥居あったんだー。」などと言って驚いている。 ちなみにその時は天候も最悪のホワイトアウトで、GPSを 頼りに登頂したらしい。 うまく想像できない。 今日の好天では麓から山頂までハッキリ見えるので、 迷う心配は全然ないのだ。 充分キツイけど。 |
ついに登頂!! 山頂から北斜面を見降ろす。 |
山頂から見下ろした山々。 ここで、雄大な景色をおかずに昼食をとる。 レトルトの「カルビクッパ」をガスバーナーで暖め、 「サトウのご飯」とお餅を入れる。大満足!! 賢いまりさんはティーバッグを持参しており、 熱いお茶が疲れを癒し、水分が全身に染み渡るようだ。 |
ついに滑り出す! 雪は水分を含んで多少重いが、混んだゲレンデと違って 「一つの谷」をまるごと独り占めできるのは初めての体験。 思わず、「いやっほーい♪!!」と歓声を上げてしまう。 |
今シーズン始めたとは思えない、まりさんの滑り。 背中のザックは75リットルで、再来週には槍ヶ岳へテント持参 でスノボに行くと言う。 登るのには2時間かかったが、滑り降りるのは本当に あっという間。 |
リフト降り場まで来ると、最後の雪を求めてやってきた スキー客がいっぱいだった。 |
月山麓の「志津温泉」で500円入浴するが、宿はスキー客で 満杯。事前に分かっていたのでテントを持っていった。 ちなみにキャンプ場はまだ営業前でタダ。 あずま屋の中に張ったので、フライシートも濡れません。 手前が特価1万円のMizunoの軍曹ハウス。 奥がゴアテックス製のまりハウス。 |
夕飯は野菜ミックスに「チキンラーメン」と、例によってお餅。 辛党の軍曹は当然、豆板醤を持参。 手が滑ってスープが真っ赤になってしまったが、 「こんな美味いもん、他にあるか!?」ってくらい美味い。 |
大好きなビールを飲んだ軍曹。 赤いのは決して酔っているせいではありません! 当然の事ながら、日焼けです。 お互いへなへなに疲れており、「オヤスミー!」 と言って9時に就寝。 |